RGF Talent Solutionsに聞く:シンガポールの現地採用について

更新日:2025.02.21
シンガポールはアジアのビジネスハブとしてその地位を確立しており、世界中から多数の企業が集結する国際都市です。 この活気ある環境の中、多くの日系企業もシンガポールを拠点にその事業を展開しています。 今回は、シンガポールで地域の企業や求職者に対して人材採用サービスを提供する日系企業、 RGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltdの青栁様に、その事業運営や市場での立ち位置、そして採用活動の現状についてお話を伺いました。
目次

(RGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltdの青栁様)
RGF Talent Solutionsとは

今回インタビューさせて頂いたRGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltdは、リクルートホールディングス傘下の海外事業部の一角として2010年に設立されました。
シンガポールにおいては、正社員向け人材紹介サービスを提供し、企業の採用支援や求職者のキャリアサポートを行っています。
社員数は約40名で、ローカルスタッフが約30名、日本人スタッフが約10名という構成です。

貴社はどのような体制で採用支援の業務を行われていますか?
青栁様:ローカルコンサルタントと日本人コンサルタントが共に在籍しており、「日系企業チーム」と「現地・外資企業チーム」の二つに分けております。
各チームの中で、業界もしくは職種によって担当するコンサルタントが割り当てられます。日系企業チームには16名在籍しております。
コンサルタント間では密にコミュニケーションをとる事を意識しており、求職者様と企業様双方に最適なマッチングを提供する事を心がけております。
貴社ならではの強みをお伺いしてもいいですか?

青栁様:求人に対してマッチ度合が高い方を早くご紹介する事に注力しております。
企業様の募集背景を踏まえたうえで、求職者の経験、スキルや思考を一つ一つ確認し、企業様にご紹介差し上げております。
社内のオペレーションは常に改善を心掛け、必要であれば新しい施策を導入し、質の高いサービスをご提供できるよう努めております。
シンガポールの採用において、何が重視されていますか?

青栁様:シビアですが、現地の求職者が一番重視しているのはやはり「給与と福利厚生面」だと思います。
1社に長く勤める文化はあまりなく、2-3年ほどで転職して年収アップを図り、それを繰り返してキャリアアップしていくことが多いです。
福利厚生面で言うと、「有給休暇の日数」は重視される傾向があります。
有給休暇の平均付与日数は14日ですが、20日以上付与している企業様もあります。
特にマネージャー層の転職の際、累積している有給休暇が例えば年間25日前後ある場合、
年間有給休暇14日での条件提示では、内定交渉が難航することも散見されます。
日本と比べてシンガポールは有給を取得しやすい文化があり、祝日も日本と比べて少なく、
祝日の前後に有給を申請し、長期休暇を取得することも一般的なため、有給日数がより重要視されやすいという背景です。
シンガポールの採用において、気を付けるべきことは何かありますか?

青栁様:「選考の進め方と面接時の質問」と「求人票の記載の仕方」は気を付けて頂きたいポイントです。
日本と大きく違うのが、選考の進め方です。
シンガポールは日本と比較して、面接回数が少なく、選考スピードが速いです。
日本で行っている面接の仕方や感覚でそのまま実施してしまうと、採用が長引く傾向があり、
例えば、選考途中で他社オファー受諾という結果になってしまうこともあります。
また、求職者と企業の関係は50:50の姿勢で面接に臨む事が大事です。

青栁様:そして、求人票の記載方法についてもシンガポール政府機関で規定されており、
例えば「日本語ができる方」という表現は国籍を限定する表記という観点と、
業務遂行上なぜ必要なのか理由が明確ではなく、このまま記載してはいけません。
こちらは弊社がサポートさせて頂きますが、もし求人票に不適切な表現を見かけたら、
求職者は政府機関に報告できるので、自社で採用を行う場合、求人票の細かい確認は必要です。
何といっても、シンガポールは口コミが広まりやすい国なので、
企業イメージを落とさないためにも、面接や求人票関係は慎重に進めることがやはり大切ですね。
最後に、貴社オフィスのイチ押しスペースを教えてください。
青栁様:イチ押しスペースですか。(笑)パントリーですね。(笑)

パントリーは皆の憩いの場になっていますが、弊社は毎週金曜日の16時からパントリーでお酒を楽しむことができます。
Beer O’clockと呼ばれていますね。(笑)
お酒を楽しみながら、社員同士でコミュニケーションをとったり、一息ついたり、とても楽しい時間です。
あと、具体的なスペースではないのですが、各行事の時期になると、行事に合わせてオフィスのデコレーションが変わります。
新年を祝うチャイニーズ・ニュー・イヤーは赤の装飾が施されたり、
ラマダン(イスラム教の断食月)の終了を祝うハリ・ラヤは緑の装飾が飾られたりして、シンガポール現地の雰囲気を楽しめるのはとても嬉しいですね。

(左はチャイニーズ・ニュー・イヤー時の写真で、右はハリ・ラヤの時の写真です)
今日はお時間を頂き、ありがとうございました。
<まとめ>
今回は、シンガポールで人材採用サービスを展開するRGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltdの青栁様に、
同社の事業運営、市場での立ち位置、そして採用戦略についてお話を伺いました。
シンガポールにおける採用市場は競争が激しく、求職者が重視する条件や面接・求人票の注意点など、多岐にわたる知見を提供して頂きました。
もしシンガポールでの事業展開や採用活動に際して不明点や支援が必要な場合は、お気軽にRGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltdまでお声がけ下さい。
RGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltd
・ホームページ:https://www.singapore.rgf-executive.com/
・住所:120 Robinson Rd, #14-01, Singapore 068913
・メール:singapore-jp@rgf-executive.com