シンガポールオフィス賃貸ガイド2026

更新日:2026.09.24

シンガポールでオフィスを借りる企業向けに、賃貸プロセス、費用、移転スケジュール、主要な専門用語を分かりやすくまとめた実用ガイドです

本ガイドは一般的な情報提供を目的としており、法律上または財務上の助言を提供するものではありません。

目次

1.1. はじめに ― シンガポールの一般オフィスを探すには?2.2. シンガポールのオフィス賃貸プロセスをステップ別に解説ステップ1 ― オフィスの要件を明確にするステップ2 ― 希望する入居時期を決めるステップ3 ― シンガポールのオフィス市場を調査するステップ4 ― 自社条件に合うオフィス候補リストを依頼するステップ5 ― オフィス内見を手配するステップ6 ― 候補となるオフィスビルを絞り込むステップ7 ― オフィス賃貸条件の交渉を始める3. 必要なオフィス面積の計算方法企業規模別に見る一般的なオフィス面積事例1 スタートアップ(従業員10名)事例2 成長中の中小企業(従業員25名)事例3 地域統括拠点(従業員60名)一般的なオフィス設備ごとの推奨面積オフィス面積を簡単に計算する方法3.4. シンガポールでのオフィス移転スケジュール内装関連に必要な期間の目安一般的なオフィス移転の流れ4.5. シンガポールのオフィス内装工事費用ガイド(2026年)シンガポールのオフィス内装工事費用の目安(1平方フィートあたり)5.6. オフィス賃貸で必要となるその他の費用6.7. シンガポールのオフィス賃貸で使われる主要用語シンガポールのオフィス賃料の表示方法オフィス賃料に含まれるサービスチャージシンガポールのオフィス賃貸借期間オフィス賃貸借契約の更新オプション電気・水道などの光熱費オフィス区画の維持管理オフィスビルの空調賃貸オフィスの原状回復フリーレントと内装工事期間印紙税(用語補足)7.8. シンガポールのオフィス賃貸に関するよくあるご質問Q. オフィス賃貸借契約書に2つの金額が分けて記載されているのはなぜですか?Q. シンガポールのオフィス賃貸における「募集賃料」と「実質賃料(ターゲット賃料)」の違いは何ですか?Q. シンガポールでオフィスを探す際、オフィス仲介会社を利用する必要はありますか?Q. シンガポールのサービスオフィスとコワーキングスペースはどう違いますか?Q. オフィスビルの再開発に伴う中途解約条項について、テナントは何を確認すべきですか?

シンガポール オフィステナントガイド

1. はじめに ― シンガポールの一般オフィスを探すには?

シンガポールでオフィスを探す際は、月額賃料を決めるだけでは十分ではありません。特に、サービスオフィス、シェアオフィスを除く一般的なオフィスへの入居を希望する場合、実際に必要なオフィス面積を正確に算出し、自社に有利な賃貸借条件を交渉するとともに、見落としやすい内装工事費や各種諸費用も予算に含める必要があります。また、オフィス移転全体を現実的なスケジュールで管理することもかなり重要です。シンガポールでは、物件探しを始めてから実際に入居するまで、通常6か月から12か月程度を要します。
※サービスオフィス、シェアオフィスの場合は即日入居可能。

サービスオフィス、シェアオフィスについてはこちらの記事をご覧ください。

2. シンガポールのオフィス賃貸プロセスをステップ別に解説

シンガポールでオフィスを借りる際は、貸主側ではなく借主側のサポートをするオフィス仲介会社(エージェント)を利用することで、より良い物件選定と賃貸条件の実現が期待できます。またオフィス仲介会社は多くの場合、貸主側から成功報酬を受け取る為、借主側には基本的に料金がかかりません。ここは日本と大きく異なる点です。

ステップ1 ― オフィスの要件を明確にする

オフィス面積、賃料予算、希望エリア、の3点が、物件選びで最も重要な条件です。この3つの条件によって、候補となるオフィスビルの範囲だけでなく、建物のグレード、仕様、利用できる設備も決まります。

ステップ2 ― 希望する入居時期を決める

オフィス家具や内装資材の発注から入居までは、通常1〜2か月かかります。そのため、早い段階で現実的な入居予定日を設定することが重要です。この検討が不十分な場合、本来は不要であった費用が必要となってしまう事もあります。

ステップ3 ― シンガポールのオフィス市場を調査する

十分な市場調査を行う際は、オフィス仲介会社を使用する事が必須です。弊社では1,500件を超えるシンガポールのオフィス物件データベースを活用し、予算、面積、立地条件から候補を絞り込めます。各物件について、詳細な募集資料を確認することも可能です。また、サービスを無料でご利用いただく事が可能です。

ステップ4 ― 自社条件に合うオフィス候補リストを依頼する

自社の条件に合った物件だけを効率よく比較したい場合は、ご希望条件に基づいて御提案資料の作成も可能です。

これにより、公開されている募集賃料ではなく、貸主が実際に受け入れる可能性がある最低賃料

一般のオフィス市場には公開されていない非公開物件

一部の物件情報に限らない、利用可能なオフィス候補の全体像

等の情報を手に入れる事も可能です。

ステップ5 ― オフィス内見を手配する

オフィス内見は、限られた時間で効率よく比較できるよう、順序を考えて手配する事が重要です。候補日程を仲介会社に提示し、内見手配を依頼する事で複数の物件をまとめて内見する事が可能です。

ステップ6 ― 候補となるオフィスビルを絞り込む

最終的に2〜3棟まで絞り込んだ候補物件を比較し、契約する物件を選びます。2~3物件まで絞り込んだ段階で、レイアウト、内装について実際の希望要件を満たせるかどうか、内装業者に確認を依頼することが重要です。

ステップ7 ― オフィス賃貸条件の交渉を始める

候補物件が決まると、貸主との賃貸条件の交渉が始まります。

仲介会社は、募集賃料に加え、周辺で直近に成立した賃貸借契約の実績、対象オフィス区画が空室または募集中となっている期間等を加味し、

貸主に交渉をしていきます。

3. 必要なオフィス面積の計算方法

必要なオフィス面積は従業員数だけで決まるものではなく、希望するレイアウトや設備構成によって大きく変わります。会議室、個室をはじめ、ラウンジ等のリフレッシュスペースを多く設ける企業では、より広い面積が必要です。

シンガポールのオフィス面積の目安として、多くの企業は1人あたり100〜150平方フィート(2.8~4.2坪)を確保しています。ただし、実際に必要な面積は、従業員数、働き方(固定デスクかアドレスフリーデスク)、リフレッシュスペース、パントリー、ライブラリー、収納スペースなどへの面積配分によって異なります。

また、オフィスの面積は、フロアプレートの形状や効率性にも大きく左右されます。そのため、必要最小限の面積だけでオフィスを探すことは一般的に推奨されません。必要面積に約10%の余裕を持たせることで、事業拡大に対応しやすくなり、入居後1〜2年でオフィスが手狭になるリスクを抑えられます。

企業規模別に見る一般的なオフィス面積

事例1 スタートアップ(従業員10名)

・一般的なオフィスレイアウト:マネージャー個室1室、オープン席9席、小会議室1室(4〜6名)、小規模な受付、パントリー
・推定必要面積:900〜1,100平方フィート(約25~30坪)

事例2 成長中の中小企業(従業員25名)

・一般的なオフィスレイアウト:マネージャー個室2室、オープン席20席、マネージャー個室3室、中会議室1室(8〜12名)、受付、パントリー、収納スペース
・推定ネット面積:2,100〜2,600平方フィート(約60~75坪)

事例3 地域統括拠点(従業員60名)

・一般的なオフィスレイアウト:CEO個室1室、マネージャー個室4室、オープン席50席、大会議室2室、小会議室2室、受付、ラウンジエリア、パントリー、収納スペース、サーバールーム
・推定ネット面積:5,500〜6,800平方フィート(約150~200坪)

研修室などを追加する場合は、下表の目安よりも広いオフィス面積が必要です。家具の種類、日々の業務内容、将来の成長計画も、最終的な必要面積に影響します。

一般的なオフィス設備ごとの推奨面積

オフィス全体の必要面積を把握した後は、個室、会議室、受付など、エリアごとに面積を分けて計算します。下表は、シンガポールの一般的なオフィスに設けられる設備について、標準的な面積の目安をまとめたものです。実際の面積は、家具の配置、動線、オフィス全体のデザインによって変わります。

役員専用個室

・推奨面積:180〜300平方フィート(約5~9坪)
・一般的な収容人数:1名

マネージャー個室

・推奨面積:100〜150平方フィート
・一般的な収容人数:1名(約3~5坪)

従業員用デスク/一人当たり

・推奨面積:45〜90平方フィート(約2~3坪)

受付エリア

・推奨面積:120〜250平方フィート(約3.5~10坪)
・一般的な収容人数:来客2〜8名

小会議室

・推奨面積:100〜200平方フィート(約3~6坪)
・一般的な収容人数:4〜6名

中会議室

・推奨面積:150〜300平方フィート(約4~9坪)
・一般的な収容人数:8〜12名

大会議室

・推奨面積:250〜500平方フィート(約7~14坪)

・一般的な収容人数:14〜20名

ディスカッションブース

・推奨面積:40〜60平方フィート(約1~2坪)
・一般的な収容人数:2名

電話ブース

・推奨面積:15〜25平方フィート(約0.3~1坪)
・一般的な収容人数:1名

パントリー・ブレイクアウトエリア

・推奨面積:120〜300平方フィート(約3~9坪)
・一般的な収容人数:利用者10〜30名

サーバー・ITルーム

・推奨面積:40〜120平方フィート(約1.2~3.5坪)
・用途:機器用

収納室

・推奨面積:50〜150平方フィート(約1.5~5坪)
・用途:収納用

印刷・コピーエリア

・推奨面積:30〜60平方フィート(約1~2坪)
・用途:機器用

オフィス面積を簡単に計算する方法

オフィス面積を簡単に計算するには、各エリアに必要な面積を個別に合計し、最後に廊下や通路などの動線スペースを加算します。

25名用オフィスの面積計算例

以下は、25名規模のオフィスを想定して、この計算方法を適用した例です。各スペースの数量と必要面積を合計し、さらに廊下、動線、共用エリアとして20〜30%を加算します。

従業員用デスク

・個数:20
・1件あたりの面積:55平方フィート(約1.5坪)
・合計面積:1,100平方フィート(約30坪)

マネージャー個室

・個数:2
・1件あたりの面積:120平方フィート(約3.3坪)
・合計面積:240平方フィート(6.6坪)

中会議室

・個数:1
・1件あたりの面積:180平方フィート(約5.5坪)
・合計面積:180平方フィート(約5.5坪)

小会議室

・個数:1
・1件あたりの面積:100平方フィート(約3坪)
・合計面積:100平方フィート(約3坪)

受付エリア

・1件あたりの面積:150平方フィート(約4坪)
・合計面積:150平方フィート(約4坪)

パントリー

・1件あたりの面積:180平方フィート(約5.5坪)
・合計面積:180平方フィート(約5.5坪)

収納室

・数量:1
・1件あたりの面積:80平方フィート(約2坪)
・合計面積:80平方フィート(約2坪)

小計

・合計面積:2,210平方フィート(約62坪)

動線・共用エリア(小計の25%)

・合計面積:553平方フィート(15坪)

推奨オフィス面積

・約2,760平方フィート(約77坪)

この計算方法を使うことで、シンガポールで実際にオフィス物件を探す際の現実的な面積目安を算出でき、一般的なオフィス計画にも沿った条件設定ができます。

4. シンガポールでのオフィス移転スケジュール

必要面積の確認、オフィス仲介会社の選定、デザイン・内装工事会社の選定など、やることが盛りだくさんの移転計画では、計画に遅れが出ることは、よくある失敗の一つです。一般的には、必要なオフィス面積に応じて、入居予定日の7〜12か月前から移転準備を始めることが推奨されます。

内装関連に必要な期間の目安

現オフィスの原状回復と返却:2〜6週間

新オフィスの内装工事:通常1〜3か月

内装資材や家具の発注:1か月以上

一般的なオフィス移転の流れ

初期検討 ― 必要面積、希望エリア、賃料予算から候補を絞り込み、社内合意を形成した上で、内見するオフィスビルをリストアップ

オフィス内見 ― 通常3〜4回の内見を実施。8〜12棟の候補ビル(1回の内見ツアーで約6〜7物件)を比較した後、最終段階で有力候補を再確認し、1〜2件の代替候補も確保します。

賃貸条件の交渉開始 ― オフィス仲介会社が「Subject to Contract(契約締結を条件とする)」と記載した法的拘束力のない意向表明書(LOI)で初期条件を提示。貸主がカウンターオファーを出し、通常2〜3回の交渉を実施。この間にインテリアデザイナーが必要面積を確認し、レイアウト上の問題があれば指摘が入ります。

オファーレター(Letter of Offer)― 貸主が通常、自社の標準書式で作成。条件を慎重に確認し、賃貸借契約書は一度「原則合意」とすることが重要。オファーレター内で賃貸借契約書が引用されると、オファーレター自体に法的拘束力が生じるため、現地弁護士による契約書レビューを受け、可能であれば物件の実測調査も実施します。

賃貸借契約の締結 ― この段階までにインテリアデザイナーを選定し、貸主や消防局(Fire Safety Bureau)などの関係当局によるデザイン承認を進めながら、内装資材や家具も並行して発注します。

引き渡し・内装工事期間 ― インテリアデザイナーが物件の引き渡しに立ち会い、オフィス区画の現況を記録。引き渡し前に貸主へ報告した不具合は貸主の責任となり、報告しなかった不具合は借主の責任となる。電力、水道、電話、インターネットの契約もテナントが手配。内装工事中はオフィスを使用できないため、この期間は常にフリーレント(賃料無料)となります。

新オフィスへの移転 ― 現在のオフィスに後継借主が決まっていない場合は、現行契約の満了前から原状回復工事を始められることが多いです。

賃貸借期間の開始 ― 貸主が追加のフリーレント期間を付与したかどうかにかかわらず、通常は内装工事期間の終了時点が賃貸借期間の開始日となります。

5. シンガポールのオフィス内装工事費用ガイド(2026年)

2026年のシンガポールにおけるオフィス内装工事費用は、松竹梅で表すと、エコノミーグレード(梅)で1平方フィートあたり約100SGD、ミッドレンジ(竹)で約120SGD、プレミアムグレード(松)では150SGD以上が平均的な目安です。賃貸借契約の終了時に必要となる原状回復費用は、通常1平方フィートあたり20〜30Sドル程度です。

シンガポールのオフィス内装工事費用の目安(1平方フィートあたり)

内装・仕上げ材

・エコノミー:S$38.00
・ミッドレンジ:S$45.00
・プレミアム:S$60.00

カーペット・床仕上げ

・エコノミー:S$6.00
・ミッドレンジ:S$7.00
・プレミアム:S$10.00

壁面仕上げ

・エコノミー:S$6.00
・ミッドレンジ:S$7.00
・プレミアム:S$9.00

天井仕上げ

・エコノミー:S$6.00
・ミッドレンジ:S$7.00
・プレミアム:S$9.00

パーティション(ガラス・石膏ボード)

・エコノミー:S$10.00
・ミッドレンジ:S$12.00
・プレミアム:S$18.00

ドア、枠、金物類

・エコノミー:S$10.00
・ミッドレンジ:S$12.00
・プレミアム:S$14.00

オフィス家具(造作・可動家具、書類・収納キャビネット、会議テーブル、パントリー収納)

・エコノミー:S$30.00
・ミッドレンジ:S$38.00
・プレミアム:S$48.00

設備工事(電気、ネットワーク配線、消防設備、空調)

・エコノミー:S$20.00
・ミッドレンジ:S$22.00
・プレミアム:S$25.00

その他(サイン、配管設備、植栽、グラフィック、ブラインド)

・エコノミー:S$6.00
・ミッドレンジ:S$8.00
・プレミアム:S$9.00

諸経費(保険、申請・手続き費用、建築・設備・構造コンサルティング費)

・エコノミー:S$6.00
・ミッドレンジ:S$7.00
・プレミアム:S$8.00

合計(1平方フィートあたり)

・エコノミー:S$100.00
・ミッドレンジ:S$120.00
・プレミアム:S$150.00以上

6. オフィス賃貸で必要となるその他の費用

シンガポールでオフィスを借りる際、賃料は費用全体の一部に過ぎません。テナントは、次に挙げる追加費用も事前に予算へ含める必要があります。これらの費用はいずれも借主負担となり、原則として交渉の対象にはなりません。

オフィス賃料にかかる消費税(GST)

2026年現在、オフィス賃料の支払いには9%の消費税(GST)が適用されます。GST登録事業者であるテナントは、支払ったGSTと自社が徴収したGSTを相殺できます。

オフィス賃貸借契約の印紙税

すべてのオフィス賃貸借契約書には印紙税が課され、その費用はテナントが負担します。印紙税は、契約書へ印紙を貼付する時点で納付する必要があります。税率は賃貸借期間全体の賃料総額に対して0.4%で、目安として賃料1か月分の約15%に相当します。

賃貸借契約に関する弁護士費用

オフィス賃貸借契約書を作成する際は、通常、貸主側と借主側の双方の弁護士費用を借主が負担します。貸主が顧問弁護士と標準契約書を利用する場合、事務手数料程度で済むこともあります。一方、大幅な契約条件の変更により貸主が外部弁護士を起用する場合は、賃料1か月分の10〜30%程度になることもあります。

オフィス賃貸で必要となる保険

オフィス賃貸借契約書には、必要な保険の条件が定められています。加えて、借主は通常、オフィス家具・設備などの什器・什物と、施設賠償責任(公衆賠償責任)を対象とする保険へ自ら加入する必要があります。

オフィス仲介会社への仲介手数料

オフィス仲介会社の紹介によって賃貸借契約が成立した場合、通常は貸主が仲介手数料を支払います。そのため、仲介会社が借主の代理として物件探しや交渉を行っても、借主側は直接の費用は発生しません。ただし例外として、貸主が仲介手数料を拒んだ場合、テナントが支払う必要があります。シンガポールではほぼすべての物件で、貸主が仲介会社へ仲介手数料を支払うため、通常借主側には仲介手数料は発生しません。

オフィス賃貸借契約の敷金

シンガポールのオフィス賃貸では、サービスチャージと政府レート(固定資産税相当分)を含む総賃料3か月分の現金敷金が一般的です。しかし、近年では日系企業を含む外資系企業に対しては、6ヶ月分またはそれ以上の敷金が要求されるようになってきています。通常敷金は契約終了後、利息を付けずに返還されます。借主の払込資本金が賃料6か月分未満の場合や、新設法人の場合は、貸主から追加で3か月分の敷金を求められることがあります。

オフィス賃料の前払い

法的拘束力のあるオファー、申込書(ブッキングフォーム)、または賃貸借契約書へ署名する際、借主は通常、サービスチャージとGSTを含む総賃料1か月分を前払いします。

固定資産税と政府レート

固定資産税を正式に納付する義務は貸主にありますが、実際の費用はサービスチャージを通じて借主へ請求されます。固定資産税が増額された場合も、通常は同じ方法で借主負担に転嫁されます。

オフィスビルの駐車場料金

利用できる駐車区画数は、一般的に賃借するオフィスの総床面積に連動し、約2,000〜4,000平方フィートにつき1区画が目安です。駐車料金は1区画あたり月額200〜450SGD程度(GST別)で、オフィス賃料とは別に請求されます。空きがある場合は、四半期単位で追加区画を借りられることもあります。

7. シンガポールのオフィス賃貸で使われる主要用語

正式な法的助言を提供できるのは資格を持つ弁護士のみです。オフィス賃貸借契約を締結する前に、必ずシンガポールの弁護士による契約書レビューを受けることを強く推奨します。

シンガポールのオフィス賃料の表示方法

シンガポールのオフィス賃料は、通常、1平方フィートあたり1暦月の総額(グロス)賃料として表示されます。この金額にはサービスチャージが含まれますが、GSTは含まれません。賃料は毎月前払いが一般的ですが、貸主によっては四半期払いに対応する場合もあります。

オフィス賃料に含まれるサービスチャージ

サービスチャージには、貸主が負担する固定資産税、共用部の維持管理費、通常営業時間内の専有オフィスと共用部の空調費用が含まれます。金額は通常1平方フィートあたり1.00〜1.50SGD程度で、総賃料に組み込まれていますが、契約期間中に見直されることがあります。

シンガポールのオフィス賃貸借期間

商業用オフィスの賃貸借契約は通常3年が最短期間とされますが、2年契約も一般的ではあります。オフィス賃料が上昇している近年の市場では、貸主と3年を超える契約を結ぶことが難しい場合も増えており、賃料改定条項を設けた5年契約も可能ですが、将来の市場賃料が借主に不利な水準となっても契約上の義務は継続します。

オフィス賃貸借契約の更新オプション

オフィス賃貸では、通常1〜3年の更新オプションを設けます。ただし、「協議の上決定」または「市場賃料に基づく」とする賃料改定条項については、公正な賃料をめぐる意見の相違を解決する明確な手続きが定められているか確認する必要があります。

電気・水道などの光熱費

オフィス物件には通常、電力供給設備が整っていますが、使用料金はテナントが負担します。電気や水道などの接続手続きと、各公益事業者のアカウント開設もテナントが行う必要があります。

オフィス区画の維持管理

借主が修繕責任を負う範囲は、原則として自社の専有オフィス区画内(構造部分を除く)です。建物の外部や共用部に関する修繕は、貸主または管理組合(マネジメント・コーポレーション)が責任を負います。

オフィスビルの空調

オフィスビルの空調は通常、平日午前9時〜午後6時、土曜日午前9時〜午後1時の標準営業時間内に貸主から提供されます。営業時間外の空調は、フロアや対象エリアの広さに応じて、1時間あたり50〜180SGD程度で利用できる場合があります。ほかにも、貸主のチラー水(冷水)供給をトン単位で利用する方法や、ビル側の承認を得てスプリット型空調機や室外機を設置する方法があります。

賃貸オフィスの原状回復

オフィス賃貸借契約の終了時、借主は通常の使用による損耗を除き、物件を契約前の状態へ原状回復して返却する必要があります。原状回復工事には通常3〜4週間かかり、費用は1平方フィートあたり20〜30Sドル程度です。

フリーレントと内装工事期間

標準的なフリーレント期間、つまり賃料がかからない内装工事期間は約1か月です。大規模なオフィスを借りる場合は、2〜3か月まで交渉できることもあります。このフリーレント期間は、正式な賃貸借期間には含まれません。

印紙税(用語補足)

オフィス賃貸借契約書にかかる印紙税は、新規テナントが納付します。標準的な3年契約では、印紙税は賃料1か月分のおよそ10%が目安です。

8. シンガポールのオフィス賃貸に関するよくあるご質問

Q. オフィス賃貸借契約書に2つの金額が分けて記載されているのはなぜですか?

オフィス賃料とサービスチャージを分けて記載する理由は、物件そのものの使用料と、中央空調、共用部、トイレ、パントリーなど、ビル全体のサービスに対するテナント負担分を区別するためです。一般的に賃料は契約期間中固定されますが、サービスチャージは契約期間中でも見直される可能性があります。

Q. シンガポールのオフィス賃貸における「募集賃料」と「実質賃料(ターゲット賃料)」の違いは何ですか?

募集賃料とは、貸主が公式に提示するオフィス賃料です。一方、実質賃料(ターゲット賃料)とは、賃料交渉の結果やフリーレント期間などを反映した、現実的な最終コストを示す金額です。オフィス賃貸の予算を作成する際は、実質賃料を重視する必要があります。

Q. シンガポールでオフィスを探す際、オフィス仲介会社を利用する必要はありますか?

オフィス仲介会社は、募集賃料と実際に成約可能な賃料の差に関する市場情報、非公開物件へのアクセス、賃貸条件に関する豊富な交渉経験を提供します。そのため、借主が貸主と直接交渉する場合よりも有利な条件を得られることが多くあります。また、通常は貸主が仲介手数料を負担するため、費用は発生せず、借主側にはメリットしかありません。

Q. シンガポールのサービスオフィスとコワーキングスペースはどう違いますか?

サービスオフィスとコワーキングスペースの違いは次第に小さくなっており、現在では多くの運営会社が両方のタイプを提供しています。一般的に、サービスオフィスは施錠できる個室オフィスと共用設備を組み合わせた形態です。一方、コワーキングスペースは、開放的な共有環境で柔軟に利用できるデスクや座席を提供します。現在は、スタートアップだけでなく、大企業から小規模企業まで幅広く利用しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Q. オフィスビルの再開発に伴う中途解約条項について、テナントは何を確認すべきですか?

再開発に伴う中途解約条項とは、オフィスビルが再開発の対象になった場合に、貸主が賃貸借契約を早期終了できるようにする条項です。近年、この条項は増加傾向にあり、借主と貸主の間で議論になりやすい条件でもあります。契約書に含まれている場合は、契約締結前にオフィス仲介会社と弁護士の双方へ確認を依頼する必要があります。

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